◇パラリンピック連覇へ。リオへ飛び立つ 8月15日に新宿コズミックセンターでゴールボール女子日本代表の壮行会が催されました。代表選手の6名とコーチ、スタッフを含めたゴールボールチームの紹介がされ、観客からエールが送られました。壮行会で、選手は一様に緊張気味でしたが、挨拶では連覇へ向け、力強い意気込みを語って頂けました。8月30日に日本を出発し、9月7日の2016リオデジャネイロパラリンピック開幕に備えます。 ◇相手国を想定した試合。対策に抜かりなし  壮行会前日の強化合宿では、リオの予選リーグで相対するイスラエル、アメリカ合衆国、アルジェリア、ブラジルといった国を想定した練習が行われました。本番さながらの緊張感の中、選手たちは声を掛け合い連携の確認をしていました。  リオの地で戦う外国勢はどの国も、高く弾むバウンドボールや強烈なスピードで転がるグラウンダーといったスローが得意。そういったボールに対応するため、男子チームの力強いボールを受けることで外国勢を跳ね返す守備を鍛えてきました。さらには練習ゲームごとにデータを取り、守備の動きや得点パターン、失点の流れを分析。多くのスタッフの協力の下で情報を解析し、チームを着実に成長させてきました。  壮行会に先駆けて行われた壮行試合では、激励に来た多くの観客の前で試合し、リオへ向け士気が上がりました。日本代表は男子女子合同チームに惜敗しましたが、多彩な攻撃パターンを見せ、本番へ向け順調な仕上がりを見せました。 ◇「感謝の気持ちを胸に」意気込み語る  壮行会が始まると、市川喬一ヘッドコーチに先導され、公式ユニホームを着た代表選手たちがコートに入場しました。  選手紹介と挨拶では、選手それぞれがリオへ向け一言ずつコメントしました。その多くが、ここまで支えてくれた周りへの感謝の気持ちでした。ロンドンパラリンピックでの栄光以降、ルール改正や他国の強化推進もあり、チームとして厳しい時期が続きました。今回リオの出場枠も熾烈な争いの中で最後の一枠を何とか勝ち取るなど、決して平坦な道のりではありませんでした。苦しいチームを選手とともに支えたスタッフ、応援し続けた多くの方への感謝の思いが、選手たちの言葉にあふれていました。  選手たちに激励として、ブーケと日の丸寄せ書きが送られました。代表して若杉遥選手、安達阿記子選手にそれぞれ、多くの人たちの思いがこもったプレゼントが手渡されました。「皆様への感謝の気持ちを形として恩返しできるようチーム一丸となってひとつひとつを大事に、心を合わせて戦ってまいります。皆様の応援を胸に飛び立ってまいりますので、応援どうぞよろしくお願いします」とキャプテンの浦田理恵選手が力強く語りました。リオでの活躍へ自信に満ち溢れた決意に、会場が激励の拍手に沸きました。 ◇「必ず決勝リーグに進む」。チームの成長は止まらない  リオへ向け、市川喬一ヘッドコーチは力強く語りました。「必ず決勝リーグに行く。その舞台に立てば、必ず何かがチームに影響をもたらす」。そのために目の前の試合に全力で戦う。一歩一歩確実に進むことの大切さを繰り返し、国際大会では、一つ一つ勝つことでチームが変化し成長する、そのために全力で取り組むと意気込みました。  リオの地で、日本代表は厳しい戦いが予想されます。外国勢の大柄な体格から繰り出すボールが、日本チームに容赦なく襲い掛かります。守り勝つために、頂点を狙うためには、全員が一枚岩となって一つのボールを止める。そして2016年のこのチームだからこそできる栄光の勝ち取り方を、これからの一カ月で、現地で戦い成長する中で確固たるものとする他ありません。「最後の最後まで、4年間の全てを出し尽くせるだけの気持ちを込めて戦う」(市川ヘッドコーチ)。割れんばかりの拍手と激励の声に背中を押され、選手たちが決戦の地へといよいよ飛び立ちます。 連覇目指して、頑張れ!ニッポン! (8月18日 「立教スポーツ」編集部 浅野徹) ※日本財団パラリンピックサポートセンターの 広報インターンとして取材、編集しました。